六本木のAXISでスタジオマンをしていた頃、その日のフォトグラファーは外国人で初めての人。照明のセッティングが終わってシューティングがはじまる前にこれをかけてくれと渡たされたのがSinéad O'Connorのデビュー作「The Lion and the Cobra」のカセットテープだった。
出だしから最後まで、一度聴いただけでつかまってしまった。
なかでも後半に収録されていた「Troy」は怨念の歌って感じでスゴイ。
ジャケットの情報をメモって、帰りに六本木のWEVEでCDを買いに走った。
87年か88年頃のこと。
当時はバブル真っ盛り、夜11時のTVニュースが自宅で見られたらラッキーという毎日だったので、音楽情報なども特にチェックしていなっかったのだけれど、ジャケット写真のスキンヘッドのSinéad O'Connorにもただのパンキッシュなお姉ちゃんじゃないものが感じられた。
その後すぐ、プリンスのカバー曲「Nothing Compares 2U」がすごくヒットしてスタジオの有線のBGMからもよく流れていたし、新作は時々チェックしてCDを買ったりしていた。アイルランド出身のSinéad については、CDに付いてくる解説に載っていることぐらいしか知らないが、なにかのライブで彼女がローマ教皇の写真を破って大ブーイングを受けたとが、引退した、などラジオで伝え聞いたり。
確かに、彼女が歌う詞は英語を母国語としている人にはきついのだろう。表舞台から葬り去られてしまったような気がする。
You Tubeにライブでアコースティック・ギター1本だけであの
「Troy」を歌うSinéad O'Connorを発見してしまった。あの曲をライブではこう演るんだ!この人やっぱり埋もれてしまうのはもったいない歌い手だと思う。
You Tubeには髪の毛がそこそこ長くて化粧してドレス着て「THANK YOU FOR HEARING ME」を歌う映像も。この頃は角が取れてきたのかな。また新譜が聴きたいものです。[ida]