STUDIO M2 フォトグラファーの伊田淑乃です。
STUDIO M2 PhotoFile No.121「チパルスのアール・デコ・フィギュア」← こちらから大きい画像をご覧下さい。
STUDIO M2 PhotoFile No.121は1914~1930年代にパリで作られたルーマニア出身の彫像作家デメートル・H.チパルス Demetre H. Chiparus の作品です。
(チパルスの作品6点を私が富豪のコレクター宅にて撮影したときのポジフィルムからの複写です。その時の写真は1992年STYLING誌No.53掲載されました)
彫像のモチーフはチパルスが制作していた時代のダンスや舞台からのもの。大理石を土台に据えたダンサーの彫像は人肌の部分には象牙が使われ、衣装にはブロンズや真鍮、銅などが使われており当時のファッション、舞台衣装が驚くほど繊細に表現されています。
硬質な素材であるにもかかわらず顔の表情はため息がでるほどの艶やかさ、衣装の表現もダンスの瞬間を捉えた写実的なものです。指先にまで繊細な細工で表現されているのにはチパルスという人、詳しいことは判らないのですが、相当な完全主義者だったのかしら?と想像してしまいます。