STUDIO M2 PhotoFile No.113 「CHIANTI CASALBOSCO 1970」
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1970年。
それは大阪万博の年だった。
日本中が祭りに浮かれ、誰もがこれからの人生は必ずや明るいと信じ切っていた年でもあっただろう。
いつの時代もワインは実に正直だ。コルクと液面の間にはその当時の活気ある空気が閉じ込められ、開けた瞬間に食卓の空気が一変する。
香りが徐々に開き始め、そしてゆっくりと下っていく。
陰と陽。表と裏。ワインは作られた時代と「今」を見事につないでくれる。
文:嶋 啓祐 (
大手町 ビストロ・リヨン オーナー)