ホームページに載せた写真から
productのカテゴリに置いたものです。
家具蔵(KAGURA)というブランドのウォールナット材を使った「SOLID CHAIR」という名前の椅子の写真です。
インテリア系マガジンの1ページ大に掲載用としてスタジオ持ち込みで撮影しました。
椅子の写真以外にタイトルや本文のテキスト、部分アップの写真が入るのでそのスペースを配慮した上で画面構成しています。
このようなタイプの椅子ならば「使われる空間で使い方提案を示した写真の方が売れるよ~、そっちのアプローチがいいよ」って思われる方面もあるかと思われますが、この写真についてはこの椅子の形を分かり易く表現することと、材質の表現を意識して撮影しております。
そして残念ながら(←こればっか)この椅子をこのライティング+背景のワンショットで撮影できる程、当スタジオは広くないのです。
そこで、撮影後に背景は目伸ばしし(足りていない部分を画像ソフトを用いて継ぎ足し)、手持ちの背景紙のバリエーションにも限りもあり、最終的なイメージを念頭におきながら当スタジオの画像処理部に指示して出来上がり、 というのが内情です。
「フレームの外では何でもあり」なんです。
映画のメイキング映像を見ているとロケ現場の光で撮影しているのかと思ったら沢山の照明が使われていたりしますが、スチール写真の場合はもっと顕著かもしれません。フィルム時代はそれこそフレームの外でできる事に留まっておりましたが、今では背景を伸ばしたりできるのでこのサンプル写真では椅子のすぐ近くまで照明のためセットを仕込んであったりします。
先日、アートディレクターの方の事務所でその方が手がけたオフィス家具のカタログを見せていただきました。それは私が助手時代に関わったことのある同じメーカーのカタログ!
見せていただいたカタログのブツ画像はCG、納得の出来です!
そのカタログの場合で私が、現物を撮影するのか、CGで画像を作るのかをジャッジする立場だったら軍配はCGです。
私が助手時代のころは、そのCGのような「完璧な」絵を求めてフィルムに定着させるためにブツをセットし、光を照て、それはそれは相当なお金をかけておりましたから。
色々なことがある程度は簡単にお金をそれほどかけないで出来るようになったのですが、お手入れされていない画像の氾濫を見るとがっかりしてしまう今日この頃。
写真や画像それ自体には良いも悪いもないと私自身いつも思っております(好みは別として)、どう使われるか(扱われるか)次第かしら。