STUDIO M2 Photo File No.111 ←こちらから大きい画像へ。
是非大きい画像をご覧下さい。
No.111は
松村和江さんのポーセレン・ペインティングとグラス・ペインティングの作品から3葉です。
油彩画の制作活動をしていた松村和江さんがポーセレン・ペインティング(陶磁器上絵付け)の制作するようになったのは30年前。
陶磁器に描かれる絵柄はパターン化された花模様などが多く目にする機会が多いのではないでしょうか。
松村さんは肖像画、風景画、静物画などの絵画的なモチーフを陶磁器のプレートや、フラワーベース、カップ、陶板などに精細なタッチで描いて沢山の作品を作っています。
1枚目と3枚目写真、フルーツのシリーズ作品(原画は19世紀初頭のWilliam Hooker)は 松村さんがパリの”LeChambrelain”にて研修を受けて習得した技法を自身の作品に初めて取り入れて制作したもの。
リムの柄と金彩も松村さんの筆により描き込まれており、これらは美しいボタニカル・アートの絵画作品のようです。
この2葉の写真は松村さんの作品とポーセレン・ペインティングのアンティークコレクションをまとめた書籍『ポーセレン ペインティング~天使の詩・美の肖像~』に掲載するために2007年に撮影したものです。
そして、中央の写真は松村さんが2013年から新たに取り組んているグラス・ペインティングの作品です。
このように緻密な技法と画力で制作されているガラス絵付けの作品は世界的にもあまりないようです。
ガラスは陶磁器よりも焼成温度は低いのですが、ヒビが入りやすく、しかも松村さんの作品では焼成の回数が多く、窯出しのたびにドキドキなんだそう。現在試行錯誤しつつガラスの作品に取り組んでいるとのこと。
絵が完成した後の窯入れのときには「がんばってね」と、作品に声をかけ、窯出しでは「よくがんばったね。ありがとう」と声がけするのだそう。
絵を描いて、 焼成し、また、その上から描いて、焼成を繰り返し、世界にたった一つだけの作品が出来上がります。
これらの写真は「作品が作者の手を離れても、その存在感を写真という限られた表現の中で感じさせられること、作品が輝き続けること」をとても意識して撮影しております。
目指したのは作品に負けない「賞味期限の永い」写真でもあります。